■制作マニュアル
ほとんど通常の歌CVVCと変わりませんが、
エイリアスの付け方に一工夫が必要です。
本記事は原音設定経験者向けに書かれています。
原音設定に自信が無い方やCVVC・音階のある収録方法に初めて触れる方はお手数ですが記事中の参考リンクから
各自ご確認ください。
また今回はsetParamを使用した方法を採用しています。
MoresamplerやvLabelerの利用は想定しておりません。
予めご了承ください。
0.用意するもの
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中の人
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CVVC用録音リスト(6〜8モーラ推奨)
よく使われていて読みやすいものは下記リンクにまとめて紹介されています。
CVVC - UTAU音源制作wiki - atwiki(アットウィキ)
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くろい製ガイドBGM
自家製ガイドBGMです。6セット計12音階分用意されています。
フォルダ毎にまとめられた2音階分をそれぞれ1セットとして数えてください。
BPMは120、150、180の3種類があります。
配布はこちらから。
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OREMO又はDAW又はRecSter(録音出来ればなんでも良い)
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setParam
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れんたんさん
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エイリアス複製さん
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(DAWまとめ録りの場合)wavDivider
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(あると便利)oto.iniまとめて改造ましーん
⒈全体の流れ
基本は通常の音源制作と変わりません。一部音階名付けで特殊な工程が加わります。
歌CVVC1セット2音階収録+下処理
↓
連続音自動推定(+先行発声の設定&切り出し音素処理)
↓
音階名付け
↓
CVVC化
↓
残りの原音設定
※()内は最後の原音設定に回しても可。
※基本のCVVC原音設定の詳細に関しては当マニュアルでは解説致しません。
⒉収録
必ず1セット2音階ずつ収録してください。
収録方法自体は通常と変わりません。ガイドBGMの音程に沿って発声してください。
CVVC未経験の方ははっきりとした発音で収録すると後の原音設定がやりやすくなると思われるのでおすすめです。
ノイズ除去等下処理は各自お好みで。
参考リンク
⒊連続音自動推定
ここからsetParamを使って作業を進めます。
連続音として自動推定を行なってください。
これをベースに原音設定を進めていきます。
参考リンク
⒋先行発声の設定(※)
※最後の8.原音設定に回しても問題ありません。
自動推定で発声のタイミングが大幅にずれてしまっている場合はここである程度揃えておくと後の作業が楽になります。
【作業に入る前に】
setParamの操作設定を以下の図のように変更すると作業効率が上がります。

この状態でF3キーを押すとマウスカーソルの位置に先行発声を軸にパラメータをまとめて移動させることが出来るようになります。
その他setParamのショートカットについてはこちらをご覧ください。
setParam - UTAU音源制作wiki - atwiki(アットウィキ)
また、波形の下にスペクトルとパワーを表示することで母音と子音の境目が判別しやすくなります。
⒌語尾音素の切り出し・エイリアス追加(任意)
※任意です。特に必要でない場合は次へ進んでください。
『oto.iniまとめて改造ましーん』を使って切り出し語尾、母音結合音素、「を」等を生成します。
プラグイン詳細⇒【UTAU関連ソフト配布】oto.iniまとめて改造ましーん

【注意】
図の項目には「づ」が含まれていますが、「づ」の取り扱いには注意してください。
「づ」は「ずぃ行(z)」から通常生成されますが、この状態でれんたんさんを実行してCVVC化するとずぃ行から「a d」が生成されてしまいます。
プラグインの仕様上音階名をつけた後にプラグインを実行しても動かないため、
必要な方は「づ」のみ最後に手動で作成してください。
⒍音階名付け
DM2n-CVVCでは、1つの音階に2種類の音階名を付けます。
例として、DEMO-3では以下図のように収録しています。
【 歌CVVCの場合】

E4
D#4
E4
D#4
E4
D#4
E4
D#4
D#4
E4
D#4
E4
D#4
E4
D#4
E4
歌連続音のCVVC版です。
普通の歌CVVCでは通常の平坦な音程の音源のように、1音階につき1種類の音階を指定して扱います。
上の図の場合青はD#4、赤はE4となります。
【DM2n-CVVCの場合】

D4
E4
E4
D4
E4
D4
E4
D4
E4
D4
E4
D4
E4
D4
E4
D4
このようにとります。
VC音素の音階は今回の場合
青→D4 赤→E4
で固定します。
DM2n-CVVCでは手軽さを求めているため、
大明神式のような音階の上下の区別はしません。
常に青の音階と赤の音階を混ぜながらUTAわせる形となります。
【設定方法】
1.表示設定から「F0を表示」を選択


F0を表示した状態
これで画面上に周波数が表示されます。これを見ながら音階名を付けていきます。スペクトルとパワーを消すと見やすくなります。
2.全体に音階を設定
デフォルトの『エイリアス一括変換』を使用してまとめて片方の音階をまとめて付けます。

変換規則の%mと音階名を入力したら全wavに対して実行。
3.周波数を確認しながら部分選択を使ってもう一つの音階に書き換える
Ctrlキーを使って原音パラメータ一覧から部分選択をした後、
『エイリアス一括変換』で同じようにもう片方の音階を入力し
選択範囲に対して実行を押してください。


7.CVVC化
連続音をCVVCに変換します。
1.れんたんさんを使ってCVVCに変換
『れんたんさん』を使ってパラメータとエイリアスをCVVC用に変換します。

「語頭エイリアス行を単独音パラメータに変換す る」は必須項目です。
その他の項目は任意です。
2.エイリアス複製さんを使って重複音素を削除
起動したら何も触らずそのまま実行してください。
音素にこだわりのある方、重複音素を残したい方は起動する前に整えてください。
これでCVVC化は完了です。
※手順は以下記事を参考にしています。
プラグインはこちら
8.原音設定
【下準備】
原音パラメータ一覧を並び替えて、VC音素と単独音をそれぞれまとめます。
「ツール」⇒「パラメータ一覧の並び替え」⇒「仮名順に並び替え」でVC音素を上にまとめて表示することが出来ます。

【原音設定】
ここからはCVVCの原音設定です。基本の原音設定通りで問題ありません。
ここでは解説しませんので下記リンクを参考にして各自進めてください。
上から難易度順(主観)に並べられています。
山本プー様
デルタ様
難易度:中(専門用語がある程度わかる方向け)
記事リンク(母音が単独音+母音結合音素あり)
参考例
まいこ様
また、単独音のみ確認したい方は併せてこちらもどうぞ。